買いたいマンションが決まったら考えること その1


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スマイルすまいの見つけ方 第23話

暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。


 
まずは、資金計算を!

買いたいマンションを決めて、いろんな事前チェックも済ませて意気揚々と不動産会社を訪れたスマイル一家。「購入の検討をしたいので、相談に乗ってください!」

これまでに何度も会って話を聞いて、すっかり顔なじみになっている営業担当者がニッコリ迎えてくれました。
「もちろんです! では、より正確な資金計算を行ってみましょう」

さあ、「お金」について、営業担当者と一緒に整理していきましょう。

・購入希望住居の金額 3590万円
・スマイル一家の年収 パパさん 約550万円 ママさん 約90万円
・自己資金 貯金300万円 親からの資金援助600万円 合計で900万円(予定)
→このうち頭金に使えるのは諸費用約360万円(物件価格の10%目安)を引いた540万円
・返済期間 35年
・ローンを借りる人は? 

と、ここでママさんには質問したいことがありました。
「私の収入も合わせてローンを組むことはできるのかしら?」
なるほど! 収入合算をお考えなんですね。では……と説明してもらったのは次のような内容です。

共働きの夫婦が収入を合算して、住宅ローンの借り入れを申請する際には「連帯保証」「連帯債務」「ペアローン」の3つの方法があります。

※仮に、夫を主債務者(住宅ローンの借り入れをする本人)とします。
連帯保証とは

1つのローン契約に対し、夫が主債務者、妻が連帯保証人となります。夫の返済が滞った場合は、妻が夫に代わって返済する義務があります。また、連帯保証人には団体信用生命保険(団信)が適用されず、住宅ローン控除も受けられません。

連帯債務とは
1つのローン契約に対し、主債務者(夫)、連帯債務者(妻)という形で、夫婦それぞれが債務者になります。メリットは、借入金額を増額でき、住宅ローン控除を夫婦共に受けられることです。さらに、ローン契約が1本分なのでローン審査も楽になり、事務手数料や登記費用もペアローンより少なくなります。
デメリットは、主債務者だけに団信が適用されるタイプにしてしまうと、連帯債務者に万が一のことがあった場合は、連帯債務者分の生命保険を別に備えなければなりません。ただし、最近では夫婦一緒の団信加入が一般的になっています。この場合に注意したいのは、団信の割合を返済割合に応じた分割方法にしないと、課税が生じてしまうケースもあるということ。例えば、夫60%妻40%の返済割合で、夫100%の団信としていた場合。夫に万が一のことがあった際、妻の返済割合である40%の部分に課税が生じる可能性があります。

ペアローンとは
夫と妻それぞれが主債務者として、別々にローンの借り入れを行う仕組みです。つまり、1つの物件に2つのローン契約が発生します。メリットは、夫婦それぞれに団信の適用と住宅ローン控除があること。ただし、夫婦どちらかに万が一のことがあった場合、団信によって一方の借り入れ分は精算されますが、もう片方の借り入れ分は残ります。また、ローンを2本組むことになるので、事務手数料や登記費用も2本分必要です。

なんだか頭がいっぱいになってしまったママさんですが、さてどうするのがいいのでしょうか?

参照第17話「住宅ローンの基礎知識 その3」
https://www.danshin-smile.com/smile-home-17/

 

資金計画上のチェックポイント

「分からないことは、どんなことでも恥ずかしがらずに聞いた方がいいのよ!」というママ友のアドバイスが頭をよぎります。

「あの、我が家の場合はどうするのがいいと思いますか?」
営業担当者は真剣な顔つきで「最終的に決めるのはお客様ですが、私なりのアドバイスを申し上げれば、ご主人の収入だけで十分ローンが組めると思いますので合算の必要はないんじゃないですか」と教えてくれました。

「2人目が生まれるかもしれないし、ママの収入を当てにしないでローンを組みたいな」というパパさんの意向もあって、ローン債務者はパパさんのみで考えることに決めました。
「では、それで計算してみましょう!」

これらの数字や条件を入れて元利均等方式でシミュレーションしてみると……、
・ボーナス返済を0にする場合、毎月の返済額は10万8272円
・ボーナス返済を併用する場合、例えばボーナス時21万4385円、毎月7万2656円
となりました。

毎月の支払いには、この返済額に加えて管理費と修繕積立金、駐車場を借りるならその費用も加算されます。今回のマンションの場合は、これらの合計が約3万円。(管理費が1万4500円、修繕積立金が6840円、駐車場が9000円)

「つまり、ボーナス併用なしだと毎月の支払いが約14万円、ボーナス時に20万ちょっとの支払いを行うなら毎月は10万円ちょっとです。この金額がお支払いの目安となりますが、大丈夫ですか?」

 

購入後の家計、どうなる??

「ボーナス払い併用なら、なんとかなりそうよね」とママさん。「でも、今の家賃よりは増えちゃうから、節約生活しなくちゃね」
それを聞いた営業担当者。ちょっと心配げな顔つきになって、
「マイホーム取得後のお金について、私たちの経験上のアドバイスを申し上げます」

マイホーム取得後に変化する可能性のあるものとして、
① 光熱費 今より広くなる、また、床暖房があったり食器洗い機など新たな設備が増える場合は、電気代の負担は増えることが多い。さらに、お風呂の浴槽が大きくなる場合はガス代も増える傾向に。その他、エアコン、給湯器などが故障したら、自分で修理・変換する必要がある。

② 交通費 現在よく通っている場所から遠くなる場合は交通費が増える。

③ 固定資産税・都市計画税 年1回の支払い

④ 火災保険や地震保険の支払い
「火災保険料や地震保険は、月払い、年払い、最長10年の一括払いなどがあります。
団信の保険料は金利に含まれている場合がほとんどですが、一部団信の保険料を別途払う場合もあります。ただし、がんなど特定疾病付きの場合は、金利に上乗せとなるケースが多くなります」

「先ほどの計算に管理費などは入れてありますし、今回のような新築マンションの場合は売り主とお客さまの直接契約なので、仲介手数料がかかりません。そのため、購入に伴う費用が約3%で、その他の引っ越し代、照明器具、カーテン、エアコン、保険料等、もろもろの諸費用として物件価格の10%を考えてあるので、その範囲内で賄えると思います」

ただ、「今よりちょっと節約すればいいわ」というのは、実際には難しいようです。
「うーん……」と悩みだしたスマイル夫妻。
「となると、毎月の支払額をもうちょっと減らしたいね!」
そのためには、「ボーナス払いを増やす」または「頭金を増やして借入額を減らす」のどちらかしかないようです。
スマイル一家のマイホーム資金についての悩みは、まだもう少し続きそうです。

 

愛犬ワンダのワン!ダフル  アドバイス

ここが肝心!マイホーム資金計画は慎重に!だワン。

ローンが組めるということと、返済が可能ということはイコールではないことを忘れてはいけないワン。住宅ローンはこの先数十年続くものなので、「なんとかなるさ」というような勢いで決めるのは要注意! 暮らしにかかる金額をちゃんと数字化して、考えることが大切だワン。そのためには家計簿があると便利だワン。今からでも遅くないから、まずは今の生活を数字化してみようワン!

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監修:中原茂
中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。
各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。

不動産監修:中村嘉宏
1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)

M0000OG2119(2017.11新)

スマイルすまい編集部

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