住宅ローン大作戦② 審査基準って何?


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スマイルすまいの見つけ方 第31話

暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。


 
「審査で大事なことって何?」その1 返済負担率について知ろう

3つの住宅ローンに仮審査の申し込みを済ませたスマイル一家。ドキドキしながら結果の連絡を待っています。

「あぁ、こういう気持ち、高校の入試結果発表のとき以来だわ」とママさん。
「心配が募って昨夜はよく眠れなかったのよ」なんてつぶやいています。そんなママさんを笑い飛ばしてパパさんは「大丈夫だよ」と言うのですが、ママさんは不安でいっぱいです。

そもそも審査って何をどう見ているんだろう? 気になって居ても立ってもいられないので、以前もお世話になった後輩のファイナンシャルプランナーNさんに聞いてみることにしました。

「仮審査ですか? それなら大きなポイントは2つです。返済負担率が適切かどうかと申込者本人の信用情報のチェックですね」

返済負担率というのは収入に占める返済額の割合です。計算式は【年間の返済額÷年収】となります。この割合がどの程度ならOKでどの程度ならNGなのかは、各金融機関が独自のルールを設けています。
目安の数字としては、フラット35の場合を参考にするとよいでしょう。
フラット35では年収400万円未満では30%以下、年収400万円以上では35%以下となっています。
 

「審査で大事なことって何?」その2 信用情報の回復期間

審査のポイントとしてもう一つ大事なのが申込者本人の信用情報ということなのですが、これはいったいどういうところをチェックされるのでしょうか?

「金融機関は個人の信用情報を専門に登録している機関に照会して、過去の取り引き履歴や金融機関名、返済についてのトラブルの有無などを調べることができるんです」※
クレジットカードを作るときにも審査された記憶があるでしょう?とNさん。
「住宅ローンは金額が大きいので、より厳しく審査されると思っておいた方がいいでしょう」

途端になんだか心配になってきたパパさんとママさん。
「パパさん、大丈夫??」
「大丈夫だよ、結婚してからは一度もカードの支払いを滞納したことなんてないからね」
「え? じゃあ昔はあったの?」と突っ込むママさんに「若いときはいろいろ苦しくてね。カード払いで買い物し過ぎて、残高が不足してしまったことも何度かはあったような……」としどろもどろのパパさん。

「そんな昔のことまで、チェックされますか?」と思わず二人で声を合わせてNさんに詰め寄ります。
「信用情報を取り扱う機関によりますが、例えば入金を忘れて数日遅れてしまったというような場合は、あまり影響がないと思います。それから1カ月程度の滞納などの場合も半年ほど経過すれば問題ないでしょう。ただ、2~3カ月を超える滞納の場合は、延滞が解消してからも数年間はダメな場合がありますね。でも先輩の場合は、かなり昔のことなので大丈夫だと思いますよ」

ホッと胸をなで下ろすパパさんです。

※個人信用情報を扱う機関には、全国銀行個人信用情報センター、CIC、日本信用情報機構(JICC)などがあり、本人が自分の個人情報を開示請求することも可能です。
 

審査結果を待つ間にできること


「今さらジタバタしたってしょうがないですよ。それよりも、できる準備を進めておいたらいかがですか?」とNさんは冷静にアドバイスをしてくれました。

「仮審査がOKになった後の本審査に必要な書類の中で、取得に時間や手間がかかるものは早めに用意しておくと安心ですね」

本審査にとって非常に大事な書類の一つで、平日に役所に行って取得しなければならないものとして、所得(収入)証明書があります。

給与所得者の場合に金融機関が確認したいのは、過去2年分支払われた給与の総額(税込み年収)です。
年末調整の際に会社から受け取る「源泉徴収票」でもその金額は分かるのですが、実はこれは発行元が事業主なので、公的な証明書ではありません。
そのため、本審査の申し込みの際には市区町村が発行する「住民税納税通知書」や「所得証明書」などが必要となります。

自営業者や給与所得以外の所得があって確定申告をしている人の場合は、「確定申告書」の写しの提出を過去3期分求められます。
中小企業の社長の場合には、会社の決算書、税務申告書の提出を求められることもあります。

その他、顔写真付きの身分証明書や健康保険証、家族全員分の記載がある住民票、印鑑証明書なども必要になりますので、後で慌てないようにしっかり準備しておきましょう。
 

愛犬ワンダのワン!ダフル  アドバイス

返済負担率と個人の信用情報、この2つが審査のポイント!

金融機関にとって大切なのは「貸したお金をきちんと返せる人かどうか」という判断だワン。だから、「無理のない返済計画になっているか」を返済負担率でチェックし、「長期間にわたって借りたお金を返すことができる人かどうか」を過去の信用情報で確認するわけだワン。住宅を購入するということは、ある意味それまでの人生が問われることでもあるんだワン。

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監修:中原茂
中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。
各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。

不動産監修:中村嘉宏
1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)

M0000OG2640(2018.04新)

スマイルすまい編集部

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