木を削りカトラリーに仕上げる

木を削りカトラリーに仕上げる

スマイルすまい編集部

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物を手づくりしたり、自分で修理したりすること。それは、単なる“作業”ではありません。ゆったりした時間の流れの中で、素材と対話し、自分自身とも会話する。だから、完成したものにはぬくもりが感じられ、愛着が湧くのだと思います。住まいのそこかしこにそうしたものがあれば、きっと幸せな気分になれる。そんな、手づくりの楽しみを感じていただけたらうれしいです。

手づくりの楽しみ DIY編 vol.3

【手づくり部とは】
ハンドメイドやDIY好きのスマイルすまい編集部員が集まってできた、手づくり大好き集団。毎号、記事を通して「手づくりの楽しみや、自分で作ったものを使う幸せ」を皆さまにお伝えしていきたいと思います。

カトラリー作りに挑戦!

手づくり部 体験型DIYショップ「Makers’ Base」にお邪魔して、食卓を彩るアイテムを手づくりするという私のチャレンジも、今回で最後。今先生、どうぞよろしくお願いします。

今さん 早いもので3回目ですね。前回、木工旋盤を使ったお皿作りは、いかがでしたか?

手づくり部 人生で初めて触った機械なので、緊張しました。高速で回転するため、最初のうちは怖かったのですが、先生がおっしゃった通り、すぐに慣れました。削りかすが飛び散ったときは、驚いたと同時にテンションが上がりました。

今さん 今回は、どちらかというと地味な作業が多いかな。ずばりスプーンとフォーク作りです。

手づくり部 サイズも小さいですし、今までと比べたら難易度は低いような気もしますが……。

今さん いえいえ、むしろ一番大変かもしれません。小さいのに形も複雑なので加工が難しいです。

手づくり部 そうなんですね。気を引き締めなくては!

なかなか難しい立体的なカット

今さん 材料はオーク材を使います。木質は重厚で強度があり、ウイスキーのたるに使われることでも知られています。

角材に下書きをする様子

手づくり部 まず、この角材に下書きをするんですね。

今さん はい。作りたいスプーンを上から見たイメージを書いた後、今度は側面に、横から見たイメージを書いてください。フリーハンドで構いません。

手づくり部 なるほど。立体的にカットするため、下書きを2方向から書くのですね。

今さん そうなんです。カッティングボード作りのときにも使ったバンドソーを使い、まず上から見た面を下書きに沿ってカットします。

下書きに沿ってカットをしている様子

手づくり部 木材が小さいだけに、バンドソーの扱いが怖いですね。

今さん 慣れたころに油断しがちなので、気を付けてください。それと、軍手はしないように。歯に巻き込まれてしまう恐れがありますから。

手づくり部 分かりました!

今さん 切り終えてもカットした木片は捨てず、両面テープを使っていったん元の角材の形に戻します。次に90度傾け、今度は側面の下書きに沿ってカットしてください。

手づくり部 なるほど。そうすることで、大まかに、かつ立体的にカットできるのですね。

彫刻刀で地道に削り出す

彫刻刀で削り出している様子

今さん 大まかな形ができたら、後は彫刻刀などを使って地道に形を整えていくだけ。必要に応じて、小刀、丸のみ、豆かんななどの道具も使ってください。電動彫刻刀を使えば、力を入れずに削れるので楽ですよ。

手づくり部 いろいろな道具があるんですね。彫刻刀は、小学生のときに版画の制作で使って以来かも。この削り出す作業が、意外に手間が掛かりますね。どうしてもあらが目立ってしまいます。

今さん 粗削りでも、それが味になるものです。もっとも、口に入る先の部分は舌触りが大切なので、紙やすりなどを使って丁寧に磨いてください。

手づくり部 はい。それにしても、下書きの段階で何となく完成イメージが見えていたこれまでの2作品と違い、立体的なこともあって、最初に想像していたものから雰囲気が違ってきたような気がします。

今さん 確かに、立体物は作る前のイメージと完成品が異なることも多いです。でも、それを不満に感じる人はまずいません。そういう意外性を楽しむことも、手づくりの魅力です。

作る過程を通して、何かを感じる

完成したフォークとスプーン

今さん 仕上げは、これまでと同じように亜麻仁油を塗ります。

手づくり部 この工程は3回目なので慣れました。やはり、塗る前と後では、ずいぶん印象が変わりますね。

今さん そうですね。これで完成。手づくり感があって、いいですね!

手づくり部 ありがとうございます! 3回にわたって自分だけの食器やカトラリー作りに挑戦しましたが、手を動かすことの楽しさやワクワク感、物作りの奥深さなどを知ることができました。

今さん そう感じていただければうれしいです。完成したときの満足感もさることながら、作る過程で感じること、気づくことも多いのが、手づくりの醍醐味(だいごみ)です。

手づくり部 よく、分かりました。3回にわたって、本当にありがとうございました!

取材協力:Makers’ Base

物作りの夢をかなえる大人の秘密基地をコンセプトにした、日本最大規模の会員制工房。木工、金工、陶芸、縫製、テキスタイル、デジタル加工など幅広い分野の機器を100種類以上用意。「2時間半まるまる箸作り放題!」4320円(税込み)など、多数のワークショップあり。

公開日:2017年03月06日

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さん

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