北欧スウェーデンのコーヒー文化「フィーカ」でリラックス!

北欧スウェーデンのコーヒー文化「フィーカ」でリラックス!

長井 紗莉菜

「フィーカ」とは、北欧の国スウェーデンの暮らしに深く根付いているコーヒー文化のこと。北欧の文化やライフスタイルの人気上昇に伴って近年注目を集めています。

この記事ではフィーカという文化や、同じ北欧の国であるデンマークのライフスタイルに根付く「ヒュッゲ」との違いなどをご紹介しています。また、ご家庭や職場で取り入れるメリットや取り入れる際に大切にしたいポイントについてもまとめているので、ぜひご覧ください。

北欧スウェーデンのライフスタイルに根付く「フィーカ」とは?

北欧スウェーデンのライフスタイルに根付く「フィーカ」とは?

フィーカとは、コーヒーと共に甘いものや軽食を取りながら小休憩をとる、スウェーデン独自のコーヒー文化のことです。
たとえば、仕事の合間にカフェに行ったり、友人と勉強の合間にコーヒーとお菓子を楽しんだりと、それぞれのライフスタイルに合わせた形で愛されています。
一般的には10時と15時の1日2回行われており、その場所は学校や職場などさまざまで、スウェーデン国民の生活には切っても切れない存在となっています。

フィーカ(fika)という言葉はスウェーデン語のコーヒー(Kaff)が語源になっており、その名のとおりフィーカにはコーヒーが欠かせません。加えて大事なのが、コーヒーの苦みに合う甘いお菓子です。
日本でも人気のあるシナモンロールはフィーカの定番お菓子です。ほかにもクッキーやサンドイッチなど、おいしい軽食を食べながら友人や家族、同僚との会話を楽しむ時間がフィーカの醍醐味なのです。

北欧が注目を集める理由とは?

そんなフィーカに注目が集まった大きな要因は、近年の北欧文化への関心の高さでしょう。
スウェーデンを始めとしたフィンランド、デンマーク、ノルウェーなどの北欧諸国の文化やインテリア、デザインが近年日本で注目されているのはなぜでしょうか?

そのきっかけの1つにおうち時間の増加が挙げられます。
北欧は降雪量が多いだけでなく、日照時間も短いため必然的に家で過ごす時間が長くなります。
そんな厳しい生活環境で育まれたのが、快適な家づくりを支えるシンプルなデザインと、自然がモチーフとなった色使いです。温かみがあって飽きが来ない北欧デザインのインテリアや雑貨は、家で過ごす時間が増えた日本人の暮らしにも馴染みやすいものが多く人気が高い傾向です。

こういった背景から北欧文化が生活に溶け込んでいき、デザインや家具ばかりではなく、ライフスタイルの面も注目を集めるようになったと考えられます。

フィーカと似ている?デンマークの「ヒュッゲ」との違い

フィーカと似ている?デンマークの「ヒュッゲ」との違い

スウェーデンの暮らしに根付いたリラックスタイムであるフィーカですが、同じ北欧のデンマークにある「ヒュッゲ」という言葉はご存知でしょうか。
ヒュッゲはデンマーク語で「居心地がいい空間」「楽しく快適な時間」を意味しており、デンマーク人のマインドを表す言葉としてよく用いられています。

フィーカがささやかなコーヒーブレイクを指すのに対し、ヒュッゲの意味合いはかなり幅広いものです。ヒュッゲにおいて大切なのは、小さな幸せを大事にする時間であるということ。それさえ兼ね備えていれば、いつでもどこでも、ヒュッゲな時間を過ごすことができます。

温かいものを飲むことや、家族とゆっくり会話を楽しむこと、晴れた日に空を見ながらのんびりとすること、どんなことでも居心地がよい時間であればヒュッゲとなります。
日本で例えると、こたつで鍋を楽しむような光景がこれに近いかもしれません。
スウェーデンと同様、家族や仲間との時間を大切にしているデンマークならではの文化といえるでしょう。

コーヒータイムで効率アップ?おうちフィーカのメリット

リモートワークなどでおうち時間が増えた今、「おうちフィーカ」を取り入れるご家庭も増えてきています。そのメリットは以下のとおりです。

フィーカをおうちで取り入れるメリット

フィーカで用意するものはコーヒーとお菓子のみ。特に決まった道具やルールがないため、気軽に始められるのがうれしいポイントです。また、甘いものを食べることでオンオフの切り替えもはっきりとつけやすく、午後のだらけてしまう時間にメリハリをつけたい方にもお勧めです。 日々仕事で忙しいという方も「フィーカの時間は家族と話をしよう」など、意識的にリフレッシュタイムを設けるきっかけとなるでしょう。

フィーカを自分の生活に取り入れたいという方は、まず普段のライフスタイルを振り返りながら、どんなフィーカを過ごしたいかを想像してみることをお勧めします。

おうちフィーカを暮らしに取り入れる際の3つのポイント

おうちフィーカを暮らしに取り入れる際の3つのポイント

ただのコーヒーブレイクとはひと味違う、より良い時間を過ごせるおうちフィーカにするために、ぜひ下記の3つのポイントを意識してみてください。

1.時間を決める

いくらリフレッシュタイムといっても、そのまま何時間も休んでしまうと本末転倒です。そのためにも、15分程度を目安に時間を決めて取り入れてみましょう。最初は短いと感じる休憩時間も、慣れれば短時間でしっかりとリフレッシュできます。まずは「10時と15時に15分休憩」などをカレンダーに記載して、習慣化させることを目指しましょう。

2.デジタルデトックスでメリハリを

せっかくフィーカの時間を確保しても、パソコンやスマホを見ていると仕事やSNSに時間を奪われがちになります。そうならないためにも、フィーカのときはデジタルデトックスとして画面から一度離れてみると良いでしょう。外の景色を眺めたり、ベランダの草木の様子をみたりと、普段気づけなかったことに気づくきっかけになるかもしれません。

3.コミュニケーションをとる

本場スウェーデンでは、フィーカは貴重な交流の場としても利用されています。普段はあまり周囲の人と雑談しないという方も、コミュニケーションを図る良い機会になります。コーヒーやお菓子を一緒に楽しみながら感想を話し合うなど、フィーカ自体を話のネタにしてみてもよいでしょう。リモートワークでなかなか直接顔を合わせて話ができないという方も、ビデオ通話機能などを使ってコミュニケーションを楽しんでみてくださいね。

企業もフィーカの効果に注目?仕事にも取り入れてみよう

ここまで、フィーカを私生活に取り入れることで日々の暮らしがより豊かになることをご紹介してきました。そんなフィーカですが、コミュニケーション促進効果が高いことからビジネス面でも注目されています。

企業もフィーカの効果に注目?仕事にも取り入れてみよう

実際にスウェーデンではフィーカを導入している企業も多く、社員同士が快適に交流できるようにカフェスペースやキッチンをオフィス内に設置する会社も少なくありません。

ちょっとした雑談から新しいアイディアが生まれたり、仕事を進めるためのやり取りがスムーズになったりと、メンバー同士のコミュニケーションが円滑になることで生まれるメリットはさまざまです。定時に退社して家族との時間を大事にする人が多いとされる、スウェーデンならではのメリハリ術とも言えるでしょう。

日本とは勤務スタイルが異なるため、導入するためには工夫が必要かもしれません。しかし、コミュニケーションやワークライフバランスの重要性が高まっている今だからこそ、見習いたい文化だと言えます。もし、自分の勤務スタイルにも取り入れようと考えている方は、ぜひ前述した3つのポイントを意識して導入してみてください。

フィーカで公私ともにリラックスした時間をすごそう

自然と共に生きるスウェーデンで生まれた文化であるフィーカ。コーヒーとお菓子を楽しむだけの時間ではなく、日々の暮らしや共に過ごす人たちと向き合う貴重なリフレッシュタイムでもあります。ワークライフバランスを大事にする国民性だからこそ、このような文化が生まれ、現代まで育まれてきたのでしょう。

「最近、家事や仕事でメリハリがつかなくて困っている」「ずっとストレスが溜まっている感じがする」など、悩みを抱えている方は一度試してみてはいかがでしょうか。1杯のコーヒーと小さなお菓子が、悩み解決のきっかけになるかもしれません。

公開日:2022年07月05日

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長井 紗莉菜

1993年生まれ。群馬県出身のフリーライター。人事、ライター・編集、久米島町地域おこし協力隊を経て、現在にいたる。久米島在住時代にはSNSを利用して特産品販売を行うなど、SNS運用アドバイザーとしても活躍。講演会等も実施し、地域×食×暮らしの分野で支援を行っている。

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