マイホーム購入のタイミングってどう決めればいいの?

マイホーム購入のタイミングってどう決めればいいの?

スマイルすまい編集部

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スマイルすまいの見つけ方 第9話

暮らし方や価値観が異なるように、理想の住まいも人それぞれです。心地よく快適に過ごせる家を探しているスマイル一家。優しい会社員のパパさんとすてきな暮らしに憧れる在宅勤務のママさん、しっかりものの保育園児タッくんに、愛犬ワンダが加わった仲良し家族です。果たして、家族みんなで幸せに暮らせる住まいを見つけることはできるのでしょうか。

迷ったときは人に聞こう!

最近のスマイル一家の休日は、1週間の間に新聞に折り込まれたマンションや一戸建てのチラシの整理から始まります。
「今日もいっぱいあるねー」とタッくん。
さらに、これまでにいくつかのモデルルームや住宅展示場でアンケート記入をしたせいか、不動産会社や住宅会社からの「オープンハウスのご案内」「新規分譲開始!」「新築戸建て相談会」などの案内状が次々と舞い込んできます。
「こんなにあると、見ているだけで疲れちゃう」と、最初は張り切っていたママさんもこの頃は疲れ気味。見かねたパパさんがこんな提案をしました。
「検討するのかしないのかを決めるための優先ポイントをいくつか決めておこうよ。それで、〇か×に最初に仕分けしよう」
「一番大事なのは価格だと思うけど、どのくらいまでなら私たちに買えるのかがよく分からないわね」とママさん。「それは、じゃあ、近々誰かに相談してみることにして、他に希望の条件は何だろう?」
みんなでワイワイ考え始めました。

家族で「絶対外せない条件」を決めよう

モデルルームをのぞいてみたり、住宅展示場に出掛けてみたりという“見学”ブームが一段落して落ち着きを取り戻したスマイル一家。「たくさんのステキな家のイメージを持つことはできたけど、見過ぎちゃってなんだか訳が分からなくなったのよね……」なんていうママさんのつぶやきを聞いて、パパさんも困り顔です。「まあ、焦らないでゆっくり考えよう」
そんなある日、保育園にタッくんを迎えに行くと、仲良しのナツちゃんと一緒に画用紙に何かお絵描きをしています。「何を描いてるの?」――どうやらおうちの絵を二人で描いて見せ合っているようです。
「タッくんのおうち!」と自慢げに見せているのは、ロケットみたいな形をしたお城のような家。最近読んであげた絵本の影響かもしれません。一方ナツちゃんの絵は、ちゃんとした間取り図みたいになっていて、びっくり。「ナツちゃん、すごいわね」と感心していると、ナツちゃんママが現れて「あらあら、ナツったら。新しいおうちがうれしくて仕方ないのね」と言うではありませんか。
「マイホーム、買ったの? ぜひ、お話を聞かせて!」

決め手は何? ―ナツちゃん一家の場合―

早速ナツちゃんの新居にお邪魔することになったタッくんとママさん。保育園の最寄り駅からは電車で3つ目、駅から歩いて10分くらいの場所でした。5階建ての落ち着いた色調で趣のあるマンションです。「もっと駅に近いマンションがいいんじゃないかってずいぶん迷ったんだけど、ナツが通うことになる小学校がすぐ近くなの。入学までに近所のお友達もできたらいいなと思って、今の時期のマイホーム購入を決めたのよ」
確かに駅までの距離よりも、子どものための環境の方が大事かもしれない、と大きくうなずくママさん。
ナツちゃんファミリーの部屋は1階。リビングから出入りできる専用庭には滑り台があって、子どもたちは楽しそうに駆け出していきました。「この庭も決め手の一つなの」とナツちゃんママ。「夏は水遊びもできるし、子どもが大きくなったらガーデニングを始めようと思って」。間取りは3LDK。「リビングが広くて明るいのがお気に入り。子どもが小さいうちは家族が個室にこもるよりも自然とここに集まってくるような暮らしが理想なんだけど、年頃になったら個室は必要だものね」と、将来まで見据えていろいろな判断基準をきちんと持っているナツちゃんママに、タッくんママさんはただただ感心しきりです。

ライフプラン表を作ってみよう!

パパさんが帰ってきた途端に「ねえ! わが家はいつまでにマイホームを買う?」と興奮状態で話し掛けるママさん。突然の話題にどういうことなのか不思議に思ったパパさん。目でタッくんに問いかけると「今日、ナツちゃんの新しいおうちに遊びに行ってきたんだよ」と教えてくれました。なるほど、と納得のパパさん。「また、マイホーム熱が盛り上がってきたんだね。そういうことなら、家族でライフプラン表を作ってみないか?」
「ライフプランって何?」とタッくん。
「ライフプランというのはね、これからどんなふうに生きていきたいか、理想や夢を書き込む年表のことだよ」とパパさんが言えば、「私たち家族の未来予想図ね!」とママさんもノリノリです。
縦軸に家族の名前、横軸が時間。これから起こりそうなライフイベントを記入していきます。タッくんの欄には「小学校入学」「中学校入学」「高校入学」「大学入学」など、パパさんの欄には「昇進」「転勤?」、ずっと先だけど「定年退職」も。ママさんは「もしかしたら2人目の出産」や「仕事量を増やす」などを書き込んでいます。
出来上がった表を見ながら「やっぱりタッくんの小学校入学までにはどこかに落ち着きたいわね」とつぶやくママさん。「となると、最長でも2年後。そんなこと本当に可能かしら?」

いよいよ現実的になってきたマイホーム購入計画。次は「お金」のことを考える必要がありそうですね。

愛犬ワンダのワン!ダフル アドバイス

愛犬ワンダ

「それぞれの家族ごとに理想のタイミングがあるワン」

マイホーム購入は家族にとってゴールではなくスタート。購入後から始まる生活が大事だワン。となると、いつ新しいスタートを切りたいのか? そんなふうに考えることで自分たちにとってのマイホーム購入のタイミングが見えてくるワン。そのためにはライフプラン表を作るといいワン。みんなで話し合うことで、それぞれの希望や夢を共有できるのも家族にとってとても大切なことだワン!

公開日:2017年07月31日

監修:中原茂さん

監修:中原茂

中原総合法律事務所、代表弁護士。CFP®認定者、ファイナンシャル・プランニング技能検定1級。1966年鹿児島県生まれ、東京大学法学部卒業後、国内損害保険会社に勤務、資産運用部門などでの勤務を経て、99年に法曹界に転身。2005年に、中原総合法律事務所を設立。また01年よりCFP認定者としても登録し、弁護士としての専門性とCFP認定者としての視点からのアドバイスが好評を得ている。マンション管理士資格を取得し、住宅分野の中でも特にマンション管理の分野の専門性は高い。 各種団体での講演、雑誌や書籍の執筆・執筆協力も多数。『老後はコワイ!―お金と財産を守る本―』(主婦と生活社、執筆協力)、『マンション法実務ハンドブック』(民事法研究会、共同執筆)など。神奈川県弁護士会紛争解決センター仲裁人候補者、社会福祉法人評議員、投資会社の社外取締役。

不動産監修:中村嘉宏さん

不動産監修:中村嘉宏

1959年、熊本県生まれ。中央大学法学部卒業後、株式会社リクルート入社。同社関連の不動産会社、不動産金融会社を経て92年株式会社イー・エム・ピーを設立。同社代表取締役。不動産、金融の幅広い知識と経験、弁護士や税理士等との強力なネットワークを基に、不動産戦略コンサルタントとして不動産資産家の相続対策や投資戦略などのプライベート・アセットマネジメント業務、企業の不動産事業構築などのアドバイス業務を行っている。事業投資、M&A、事業承継の専門家集団であるMMプリンシパルインベストメント株式会社取締役。公認不動産コンサルティングマスター 相続対策専門士、ビル経営管理士、宅地建物取引士。著書『不動産投資 実践ガイド』(PHP研究所)

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スマイルすまい編集部

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