女性ひとりのマンション購入、いろいろ心配…

新屋 真摘

最近、シングルの女性がマンション購入を検討するケースが増えてきました。一人暮らしが長くなりそう、老後に家賃を払い続けるのが不安など、人によって理由はさまざまなようです。では、女性のマンション購入はどんなところに気をつけたらよいのでしょうか?

住宅ローン返済額は、手取り収入の25%以内を目安に。

独身の方のマンション購入は、予算面でくれぐれもムリをしないことが重要です。夫婦で力を合わせて住宅ローンを返済したり、老後になった時に子どもに頼ることが難しいシングルの方の場合、住宅ローンの返済と同時に、老後資金の準備もしなくてはいけないからです。特に男性に比べて平均寿命の長い女性は、なおのことムリは禁物。一般的に適切な住宅ローン返済額は、管理費、修繕積立金も合わせて、手取り収入の25%以内に収まる金額が目安といわれています。また、退職までに返済できる計画が理想的です。借りすぎを防ぐためには、予算ありきで物件を選ぶことはもちろん、十分な頭金の準備も不可欠といえるでしょう。

ご両親に相談することで、税制メリットを受けられることも。

とはいえ、頭金などの資金がなかなか準備できないという方は、計画的な貯蓄とあわせて、ご両親からの贈与の可能性も検討してみるとよいでしょう。シングル女性のなかには「反対されるかも」という理由で、親に内緒でマンション購入を考える人もいるようです。しかし、2021年12月1日までの契約には「住宅取得資金のための贈与」に大型の減税制度が適用されます。こうした非課税の特例は、購入後の贈与には適用されないので、思い切って購入前に、ご両親に相談してみるとよいでしょう。ただし、よくワンルームタイプを安く購入される方もいらっしゃいますが、登記簿上の床面積が50㎡以下の場合、住宅ローン減税やこの住宅取得資金贈与の特例など、税制面での優遇が受けられなくなることもあるのでご注意ください。

将来に「売る」ことも考えた物件選びが大切。

女性ひとりのマンション購入では、急なライフプラン変更にも対応できる物件選びも大切です。一生シングルと思っていたら、急に結婚が決まったり、親の介護が必要になって郷里に戻ることになったりと、将来に変化が起きやすいのもシングル女性ならではの特徴だからです。一生ものと思って購入したマンションに、一生住めるとは限りません。売りたいと思った時に、売却価格が住宅ローンの残債を下回ってしまっては、売るに売れません。そこで大切なのが、将来に売ることを想定した物件選びです。駅からの近さ、日当たり、間取り、人気のエリアなど、資産価値の下がりにくい物件の条件を吟味して、厳しい目で物件を選んでおくとよいでしょう。将来賃貸に出すことが可能かどうかも、購入前に規約を確認しておく必要があります。

幅広い住宅ローンの中から、自分に合った条件のものを選ぶこと。

住宅ローンの選び方についても女性ならではの注意点があります。一般的に、男性に比べると年収が低く年齢にともなう収入の伸びが期待しにくい女性には、将来に渡って返済計画の立てやすい「固定金利」の住宅ローンのほうが向いています。住宅ローンは、収入面で一定の基準をクリアしないと借りにくいのが原則ですが、女性は堅実に返済する傾向があるといわれているため、契約社員や派遣社員など収入が低めの女性でも借りやすい女性向けを謳ったローンもあります。女性向け住宅ローンには、出産で金利が安くなったり、家事代行やトラブル時のアシスタンスサービスが受けられるユニークな条件付きのものがあります。ただし、女性向けローンの条件が必ず優れているとは限りません。できるだけ幅広いローンの中から、良い条件のローンを探すよう心がけましょう。また、女性は男性に比べて働き盛りの30代~50代にがんにかかる確率が高くなります。がん保障の付いた団信を選んでおくのもリスクヘッジの方法です。

まとめ

シングル女性のマンション購入は、借りすぎに注意。急なライフプラン変更に備え、資産価値の下がりにくい物件選びを心がけましょう。

公開日:2019年02月19日

新屋 真摘

新屋 真摘

ファイナンシャルプランナー(CFP 認定者)、ガイア株式会社所属。http://www.gaiainc.jp/ 大手生命保険会社を経て「正しいマネーセンスを身につけてお金に振り回されない人生を送ってもらうためのお手伝いがしたい」という想いからファイナンシャルプランナーを目指す。2005 年に独立系FP オフィスを設立。 2014 年にガイア株式会社へ。 『一番トクする 住宅ローンがわかる本』(成美堂出版)、『やさしい保険の本』(オレンジページ)、『ママと子どものお金の話』(サンクチュアリ出版)、『シンプルにお金を貯める・増やす・使う。』(クロスメディア・パブリッシング)、『マンガと図解でラクラクわかる はじめての資産運用』(成美堂出版)など著書・監修多数。

RECOMMENDおすすめ記事はこちら