住宅ローンの借り換えで得する人は?現役銀行員がメリットを解説!

住宅購入前・購入時にやっておけばよかったことの第1位として「団信の特約を付けておけばよかった」(男女ともに24%)が挙げられています。(※1)

このように、住宅ローンを組んでいて「団信の保障を見直したい」という方や、その他にも「固定金利の特約が終わるから金利を見直したい」と思う人は少なくありません。

結論から言いますと、住宅ローンは借り換えをすることによって「団信」や「費用」の面で大きなメリットを得られる可能性があります。

この記事では、どんな人がメリットを得られるのか、どんなメリットやデメリットがあるのかなど、住宅ローンの借り換えについて現役銀行員が解説していきます。

※1 「~カーディフ生命、「住宅購入した未婚男女の意識調査」を実施~ 購入理由、女性は「将来を見据えた安心感」、男性は「いつか家族と暮らす家」」(カーディフ生命保険会社)

住宅ローン借り換えのメリットと得られる条件

まず住宅ローンの借り換えとは、住宅ローンの借り入れ先の金融機関を変えることです。
住宅ローン商品はニーズによって変化・改善されており、新しく組み直した方が条件が良くなる場合が多いです。

とくに、以下に該当する人は、住宅ローンの借り換えでメリットを得られる可能性が高いです。

メリットを得られる可能性が高い人

なお、住宅ローンを借り換えることで、得られるメリットは以下の5つです。

【住宅ローン借り換えのメリット】

  • 1.団信を変更できる
  • 2.支払い総額、毎月の返済額が減る可能性がある
  • 3.返済期間を短くすることができる
  • 4.金利プランの変更ができる
  • 5.一括で前払いした保証料(※2)の一部が戻る可能性がある

次の章から、これら5つのメリットを「団信」と「費用」の面に分け、詳しく解説していきます。

※2 保証料の説明については、「銀行員が徹底解説!住宅ローンの保証料とは?」をご覧ください。

住宅ローンの借り換えによって団信の保障を充実させることができる

団信(団体信用生命保険)とは、住宅ローンを契約する際に原則加入する生命保険です。万が一住宅ローン契約者が、死亡もしくは高度障害状態となった場合に、生命保険会社が住宅ローンの残高を全額支払います。

住宅ローンを借り換える際、今まで入っていた団信が消滅するため、新しい住宅ローンと共に加入し直す必要があります。
以下のいずれかに該当する人は、団信に加入し直すことによって、「団信」面でのメリットを得られる可能性があります。

【メリットを得られる可能性がある人】

  • 健康上の理由により一般団信にしか入れなかった
  • 取り扱い金融機関の団信のラインナップが少なかった
  • 団信や他の住宅ローン付帯保険の保険料(※3)を別で支払っている
  • 連帯債務で、主債務者しか規定上団信に入れていない

以下で詳しく解説していきます。

健康上の理由により一般団信にしか入れなかった人

現在の住宅ローン契約時に、健康上の理由により三大疾病特約付団信などの団信に加入できず、一般団信のみで住宅ローンを組まれている方は、借り換えすることで特約付団信に加入できる可能性があります。

団信の加入条件は保険会社により異なりますが、一般的に5年間投薬や入院、手術歴がなければ問題なく加入できることが多いです。
現在の住宅ローン契約時に理由があって投薬や入院をしていた方は、団信の保障内容を充実させるという点において借り換えにメリットがあります。

特約付団信について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
がん団信、三大疾病保障付団信は必要?実際に保険金が支払われた事例をご紹介

取り扱い金融機関の団信のラインナップが少なかった人

団信は金融機関によって取り扱い商品が異なります。
例えば、A銀行では就業不能特約付団信や八大疾病特約付団信があるのに、B銀行には三大疾病特約付団信しかない、といった具合です。
また、そもそも以前は団信のラインナップが少なく、三大疾病特約付団信や八大疾病特約付団信が無かった場合もあります。

今では金利負担もなく特約に入れる例も多いため、現在の保障内容に満足していない場合は、住宅ローンを借り換えることで、団信の保障内容を充実させることができる可能性があります。

各特約の保障範囲イメージ

団信や他の住宅ローン付帯保険の保険料を別で支払っている人

一般団信の保険料は、一般的に取り扱い金融機関の負担によって支払われるため追加で支払いをする必要はありませんが、以下の場合は別で支払っている可能性があります。

  • 住宅金融支援機構で借り入れしている

    ※フラット35で、2017年10月1日以前に契約した方は団信の保険料を年払いしています。

  • 民間の金融機関で、ローン返済支援保険などに、毎月保険料を支払うかたちで加入している

現在保険料を別で支払っている場合は、保険料にいくら支払っているのか分かりやすいメリットがありますが、原則借り換えによって支払い負担をなくすことができます。(フラット35も現在は金利負担のみ)
また、一般団信では保障されない三大疾病や働けなくなる(就業不能)リスクに備えたい場合でも、金融機関によっては借り換え時に金利に組み込む形で加入できることや、キャンペーンなどで、そういった保障を上乗せ金利なしで加入できる場合があるので、検討してみてください。

連帯債務で、主債務者しか規定上団信に入れていない人

連帯債務の場合、金融機関の規定上、連帯債務者は団信に入れないケースがあります。
連帯債務者に万が一のことがあっても団信が適用されないため、連帯債務者の保障を充実させたい場合は、連帯債務者も団信に加入できる住宅ローンへ借り換えするのも手段の一つです。

※3 団信の保険料の説明については、「団体信用生命保険(団信)の保険料はいくらくらい?」をご覧ください。

住宅ローン借り換えによって費用面の負担軽減が見込める

「費用」面では、以下のいずれかに該当する人がメリットを得られる可能性があります。
一般的に住宅ローンの借り換えは、借入残高が多く、借入期間が残っている人ほどメリットを得やすいです。

【メリットを得られる可能性がある人】

  • 借入残高が1,000万円以上残っている
  • 返済期間が10年以上残っている
  • 金利が他の金融機関より高いと感じる
  • 変動金利を固定金利にしたい

住宅ローンの借り換えは、新しく住宅ローンを借り直すことであるため、返済計画を全て見直すことができます。
ここでは条件別で切り分けることが難しいため、得られるメリット別に詳しく解説していきます。

支払い総額、毎月の返済額が減る可能性がある

住宅ローンの借り換えの最大のメリットは、金利の低い住宅ローンを選び直すことによって金利条件が良くなり、毎月の金利負担と返済負担が減ることです。

たとえば、現在1.5%で借り入れしている人が、0.5%で借り換えした場合、1%の金利差が生まれます。毎月の返済は「元金+金利」によって構成されており、金利負担が減るとその分毎月の返済額が減ります。

以下のように借入残高が2,500万円、残りの返済期間が25年と仮定すると、毎月の返済額が11,318円下がり、年間では135,816円お得になります。

金利が1%低いローンに借り換えた際の返済額

現在の借入金利が高いと感じている人は一度住宅ローンの借り換え試算を取ることをおすすめします。借り換え先の金融機関に相談すれば、すぐに返済予定表を出してくれるので計画がしやすいです。

返済期間を短くすることができる

前段でご説明したように、毎月の返済額を減らすことができれば、その分元金の支払い割合を増やすことで借入期間を短くすることも可能です。

金利プランの変更ができる

住宅ローンの金利プランには、「変動金利」と「固定金利」の2つがあり、借り入れ時に選ぶ必要があります。

変動金利と固定金利

たとえば現在変動金利で組んでいる場合、住宅ローンを借り換えによって固定金利にプラン変更することも可能です。
今後の変動金利が不安なため、金利が変わらず計画の立てやすい固定金利にしたいという方は多いです。

一括で前払いした保証料の一部が戻る可能性がある

現在保証料のかかるプランで住宅ローンを借りている場合、残っている返済期間に応じて保証料が戻ってくる可能性があります。

住宅ローンで保証会社が付く場合、保証料を分割で支払うか、一括で支払うかを決められます。一括で全期間分の保証料を前払いしている場合、住宅ローン借り換えで繰り上げ完済すると残っている返済期間分の保証が不要になるため、前払いした保証料の一部が戻ってきます。

借り入れ当初に年収や信用情報などの理由で保証付きになってしまった人は、借り換えを検討してみてはいかがでしょうか。

住宅ローン借り換えのデメリット

住宅ローンの借り換えによって、以下のデメリットを受ける場合もあるため注意が必要です。

【住宅ローン借り換えのデメリット】

  • 1.団信も再審査となる
  • 2.金利は下がるが、団信が劣後する可能性がある
  • 3.手数料、諸費用がかかる
  • 4.手続きに手間がかかる
  • 5.保証料がかかるプランに変更される可能性がある

それぞれ説明していきます。

1.団信も再審査となる

住宅ローンを借り換えた場合、団信は再審査となるため、告知事項によっては加入できない場合があります。
住宅ローンは団信への加入が条件となっている場合が多く、団信の再加入ができなければ、そもそも住宅ローンの借り換えもできません。

2.金利は下がるが、団信が劣後する可能性がある

団信の再加入によって、現在の団信より保障が限定される可能性もあります。
たとえば、八大疾病特約付団信や三大疾病特約付団信に入っていた人が、一般団信にしか入れなかった例です。

団信は、告知事項、年齢や借入金額、引受保険会社、金融機関の規定によって変化するため、借り換えの際は団信の条件についても把握しておくことが重要です。
特に現状、疾病特約付団信に加入していて健康状態に不安がある場合には、借り換え先で同様の疾病特約付団信に加入できなくなるリスクがあるため、注意が必要です。

3.手数料、諸費用がかかる

住宅ローンを借り換えることで、手数料や諸費用(※)がかかります。
必要な手数料や諸経費は金融機関によって多少増減しますが、少なからず費用がかかります。
借り換えによる返済額の軽減分と比べて、本当にメリットがあるのか検討することが重要です。

※金融機関手数料(借入先)、完済手数料(返済先)、登記費用、保証料 など

総返済額の借り換え前と借り換え後

4.手続きに手間がかかる

住宅ローンを再度組み直すことになるため、書類の記入、金融機関へ来店する手間がかかります。
一般的には1ヵ月程度金融機関の住宅ローン手続きに時間をかけなければなりません。

5.保証料がかかるプランに変更される可能性もある

現在保証会社が付いていない住宅ローンを組んでいる方でも、借り換えによって保証料がかかるプランに変更される可能性もあります。
保証料がかかるプランだと、追加で保証料を支払う必要があり、借り換えすると逆に返済負担が重くなる場合もあります。

以下に該当する人は注意して下さい。

  • 年収が下がった
  • 転職している
  • 借り入れが増えて信用情報に変化 など

また、金融機関によっては保証会社を必ず付ける場合もあるので、保証会社が付かないプランがあるのかも把握しておくとよいでしょう。

借り換えを検討している方はぜひシミュレーションを

まとめとして、以下のタイプの人は住宅ローンの借り換えの検討に適しています。

  • 一般団信に加入している
  • 住宅ローン残高が1,000万円以上残っている
  • 住宅ローンの金利が現在の金利水準より1%程度高い
  • 固定金利特約期間が終わって金利が上がった

住宅ローンの借り換えは、状況によっては「団信」や「費用」面で大きなメリットがあり、より良いプランに変更することができます。
金利負担が大幅に変わらなくても、団信を見直すことでさらに保障を充実させることも可能です。

ただし、借り換えによるデメリットにも注意する必要があります。
当初借り入れした時の条件によっては借り換えしてもメリットが受けられないばかりか、条件的に劣後する可能性もあります。

借り換えを検討している方や、現在住宅ローンの契約から数年経っている方は、希望の金融機関に借り換えシミュレーションをしてもらうことをおすすめします。
シミュレーションは無料でできますし、それが大幅な条件改善につながる可能性もあります。

まずはご自身の借り入れ状況や団信の保障内容をしっかりと把握して、メリットが得られる場合には前向きに借り換えを検討されてみてはいかがでしょうか。

公開日:2020年11月10日

まさ

現役銀行員。ファイナンシャルプランナー2級、銀行業務検定各種(財務、税務、法務)、住宅ローンアドバイザー、マネーロンダリング対策実務2級等取得済み。人生設計に伴う資金計画、ローン商品について詳しく丁寧にご紹介させていただきます。皆さんの疑問や不安を解決出来るように心がけていきます。

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