転勤が決まった… 住宅ローンどうしよう!?

新屋 真摘

「せっかく念願のマイホームを買ったのに、急に転勤になってしまった…」という話をよく聞きます。引っ越しすることになってマイホームに住まなくなってしまった場合、返済中の住宅ローンはどうしたらいいのでしょうか?

転勤になったら、二重で住居費を支払うことに?

転勤になると、単身赴任するか家族ごと引っ越すのかを悩んだり、お子さんの学校はどうするかなど、いろいろな問題が出てきます。なかでも住宅ローンをどうするかは大きな悩みかと思います。「単身赴任する」「空き家のまま維持する」「賃貸に出す」「売却する」などいくつかの方法がありますが、転勤しても数年で戻れるかもしれないですし、そもそもせっかく購入したマイホームを簡単に売る気持ちになれない方も多いでしょう。また、そのまま持ち家を維持する場合、住んでいない間もマイホームの住宅ローンを払いつつ、転勤先でも家を借りて家賃を払うとダブルの出費になってしまいます。これは家計にとって大きな負担です。

マイホームを人に貸して、家賃収入にすることも。

一定期間の転勤の場合、家計の負担を減らす手段として多くの方がされているのが、住まなくなった家を人に貸して家賃収入を得て、それをローン返済に充てるという方法です。
期間が決まっている転勤や介護のための長期帰省など、将来戻ってくることが前提であれば、金融機関によっては、住所変更届を提出するだけで、不在の間、家を人に貸すことができます。持ち家を賃貸に出すことができれば、将来戻れるという安心感もありますし、家賃収入を得ることもできます。
ただし、思うような家賃の金額にならない、空き室で収入が得られないなどの不安定な状況や、賃貸設備の修繕や固定資産税などの経費、確定申告といった賃貸経営上の手間がかかるなど、場合によっては貸さない方が良いケースもあるので、ご自身にとってより良い方法を検討することが必要です。

住んでいないと、住宅ローン控除が受けられない?

また、気をつけておきたいのが、住宅ローン控除の適用についてです。住宅ローン控除は、家を買って住宅ローンを借りた人が、一定期間、所得税や住民税の控除が受けられる制度ですが、転勤などで住めなくなった場合は、その期間は制度が適用されません。ただし当初の適用期間内に戻ってきた場合は、残りの期間まで制度が再び適用されます。
たとえば2019年5月に家を購入して、2021年4月から2年間転勤になった場合、2021年、2022年は住宅ローン控除が認められません。ですが、2023年4月に戻ってきたら、本来の適用期間までは再び控除が受けられます。ちなみに、住宅ローン契約者が単身赴任し、家族が残って住み続ける場合は、住宅ローン控除は継続して適用されますので、この限りではありません。

お勤めの会社に転勤時の補助制度があることも。

転勤中は住宅ローンの借り換えができません。転勤の多い会社にお勤めの人は、変動金利や2年固定、3年固定といった短期の固定金利選択型のような、金利の動向を見ながら短い期間で固定と変動を見直すプランはあまり向いていません。単身赴任では二重に生活費がかかったり、家族ごと引越しすると住宅ローン控除に影響が出たりと、転勤族の返済プランは計画通りに行きにくいことを念頭に入れて、余裕のある返済プランを心がけてください。
まず確認してほしいのが、お勤めの会社の制度です。会社によっては、転勤先で社宅を用意してくれたり、家賃補助がもらえることもあります。また、元の家を勤務先で借り上げてくれる制度がある会社もあるようです。転勤は会社の事情によるところが大きいですので、住宅を購入する前に会社の制度を確認しておくことが大切。おそらく転勤の多い会社は、社員への対応も経験豊富だと思いますので、マイホームを買おうと思ったら、まずは「マイホーム購入後に転勤になったらどんな制度があるのか」を、人事や総務の方に聞いておくとよいでしょう。

まとめ

単身赴任、空き家、賃貸、売却、それぞれの場合での家計の収支を計算しましょう。また、家を買う前に、転勤時の住宅補助などの制度があるかも会社に確認しておきましょう。

公開日:2019年02月20日

新屋 真摘

新屋 真摘

ファイナンシャルプランナー(CFP 認定者)、ガイア株式会社所属。http://www.gaiainc.jp/ 大手生命保険会社を経て「正しいマネーセンスを身につけてお金に振り回されない人生を送ってもらうためのお手伝いがしたい」という想いからファイナンシャルプランナーを目指す。2005 年に独立系FP オフィスを設立。 2014 年にガイア株式会社へ。 『一番トクする 住宅ローンがわかる本』(成美堂出版)、『やさしい保険の本』(オレンジページ)、『ママと子どものお金の話』(サンクチュアリ出版)、『シンプルにお金を貯める・増やす・使う。』(クロスメディア・パブリッシング)、『マンガと図解でラクラクわかる はじめての資産運用』(成美堂出版)など著書・監修多数。

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