おうちで簡単に自作!バケツや段ボールを使ったコンポストの作り方

おうちで簡単に自作!バケツや段ボールを使ったコンポストの作り方

長井 紗莉菜

コンポストとは、ガーデニングなどには欠かせない「たい肥」や、たい肥を作る容器のことを指す言葉です。容器は、コンポスターとも呼ばれますが、今回は一般的に使われることの多い「コンポスト」を、たい肥を作る容器のことを指す言葉としてお話しをします。

コンポストは微生物の働きを活用して、普通ならば廃棄される生ごみや落ち葉などから養分たっぷりのたい肥を作ることができます。ゼロカーボンエネルギー(※1)でたい肥作りができること、資源を循環して活用できることから、ここ最近ではSDGs推進の一環としても注目を集めています。

今回の記事では、おうちで簡単に自作できるバケツや段ボールを使ったコンポストの作り方をご紹介。使い方や注意点についてもまとめているので、最後までご覧ください。

※1:ここでは二酸化炭素などの温室効果ガスを排出するエネルギー(機械等)を使わないこと意味します。

コンポストを自作するメリット・デメリット

コンポストを自作するメリット・デメリット

近年では、家庭菜園をする方が増えた影響でコンポストの需要が高まり、市販のコンポストキットなどを見かけることが多くなってきました。自治体によっては、補助金を支給するサポート体制を設けるなど、活動を支援する動きも活発化しています。

そんな中、手軽に始められることで人気を博しているのが、自作コンポストです。実際にコンポストを自作する場合、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。おうちでコンポストを始める前に、しっかりと確認しておきましょう。

メリット

  • たい肥を自作することでガーデニングなどにかかるコストを抑えられる
  • 生ごみを捨てる手間がなくなる
  • 初期費用を抑えて少量からたい肥を作ることができる
  • ごみを再利用することでエコにつながる

デメリット

  • たい肥になるまで時間がかかる
  • 定期的に土をかき混ぜないと悪臭がしてしまう

メリットとして一番大きなポイントは、生ごみを有効活用して、たい肥を作れるところです。環境に配慮した生活を送れるだけではなく、生ごみを捨てる手間が省けます。
さらに、市販品を使わずに自作をすることで、費用を抑えて少量からたい肥作りが可能です。

ただし、デメリットとして気を付けなければいけないのが、たい肥が完成するまで1ヵ月程度の時間がかかる点です。家庭菜園などでたい肥を使いたいという方は、作物を植える時期などを考慮しながら計画的に作りましょう。
また、コンポストから生ごみ特有のアンモニア臭を発生させないためには、定期的に土をかき混ぜて好気性発酵をさせる必要があります。長期間、家を空ける予定がある方は、その間のメンテナンスをどうするか事前に検討しておくと安心です。

好気性発酵とは?

好気性発酵とは、酸素が必要な微生物を活用して有機物を分解する手法のことです。嫌な臭いが少なく、養分が豊富なたい肥を作れるため、家庭でのコンポストづくりに適しています。

これに対し、酸素を含まずに有機物を分解する手法は、嫌気性発酵と呼ばれています。こちらはコバエなどの虫や臭いが発生しやすい手法のため、ご近所トラブルの元になってしまう可能性があります。

おうちのベランダやお庭でコンポストを活用する場合は、好気性発酵を目指し、1日1回は土をかき混ぜて酸素を行き渡らせてください。

バケツコンポストの作り方

今回は、比較的臭いの少ない好気性発酵を利用した自作コンポストの作り方を2種類ご紹介します。まず紹介するのは、おうちコンポストの代表的な存在である、バケツコンポストの自作方法です。バケツのサイズに応じて少ない量から始められるので、1人暮らしや小さな家庭菜園をやっている方にお勧めです。

【材料】

  • バケツ
  • 新聞紙
  • 基材:腐葉土と米ぬか(市販の発酵促進剤でも可)を混ぜたものでも可
  • ひも(輪ゴム)
  • スコップ

※「基材」は「腐葉土と米ぬかを混ぜたもの」、もしくは「腐葉土と市販の発酵促進剤を混ぜたもの」でも代用可能です。

材料

作り方

作り方

生ごみから発生した余分な水分を吸収するため、バケツの底に新聞紙を敷きます。

作り方

基材を高さ5~10cmほど敷きます。
基材はホームセンターなどで売られていますが、腐葉土と米ぬかなどの発酵促進剤を混ぜあわせて作ることもできます。腐葉土と発酵促進剤の比率は、どの発酵促進剤を使うかによって異なるため、発酵促進剤のパッケージをよく確認してください。基材を自作する場合は、事前によく混ぜあわせてからバケツに入れることで、発酵のムラをなくすことができます。

作り方

小さく切った生ごみと基材を入れてよく混ぜあわせます。生ごみを基材で覆いかぶせるイメージで混ぜましょう。

作り方

ひととおり混ぜ終わったら表層に乾いた基材を載せます。

作り方

布とひもでふたをして完成です。ふたがなくてもコンポストとして利用できますが、水分調整や防虫効果があるので、使わないときはふたをすることをお勧めします。

段ボールコンポストの作り方

次に紹介するのは、段ボールコンポストです。こちらも段ボールのサイズに応じて、作るたい肥の量を調整できます。バケツと比較すると大量の土を扱いやすいことから、長期的にコンポストを利用したい方に向いています。1日に出る生ごみの量が多い方、多めにたい肥を作りたい方にもお勧めです。

【材料】

  • 段ボール
  • 新聞紙
  • 基材:腐葉土と米ぬか(市販の発酵促進剤でも可)を混ぜたものでも可
  • ひも(輪ゴム)
  • スコップ
  • すのこ
  • ガムテープ

※「基材」は「腐葉土と米ぬかを混ぜたもの」、もしくは「腐葉土と市販の発酵促進剤を混ぜたもの」でも代用可能です。

材料

作り方

作り方

段ボールの底をガムテープで補強して、すのこの上に置きます。すのこを使うことで通気性を上げ、より良い好気性発酵を進めることができます。

作り方

生ごみから発生した余分な水分を吸収するため、段ボールの底に新聞紙を敷きます。段ボールは底が抜けやすいので、少し厚めに敷きましょう。

作り方

ここからはバケツコンポストの作り方と同様です。
基材を高さ5~10cmほど敷きます。

作り方

小さく切った生ごみと基材を入れてよく混ぜあわせます。

作り方

ひととおり混ぜ終わったら表層に乾いた基材を載せます。

作り方

布とひもでふたをして完成です。

コンポストの使い方と、入れてはいけないもの

前述したように、コンポストでの良質なたい肥作りには日ごろからこまめなメンテナンスが欠かせません。どのように使うのかをしっかり理解しておくことで、サイズにもよりますが半年くらいは生ごみを追加しながら再利用できます。実際に作る前に、下記のポイントを確認しておきましょう。

【使い方】

①生ごみを投入している期間中は毎日かき混ぜる

②生ごみは500円玉サイズに細かく切ってから投入する
(カビ対策のため、少し乾燥させると良い)

③「冬場は毛布を掛ける」「夏場は直射日光を避ける」などの対策を行い、コンポストの温度を20~30℃に保つ

④容器がいっぱいになったら生ごみの投入をやめてようすを見ながらかき混ぜる。1ヵ月熟成させればたい肥の完成

作り方

【投入する生ごみについて】

■入れても良いもの ■入れてはいけないもの
  • 野菜の切りくず
  • 茶殻、コーヒーかす
  • 魚などの小骨
  • 炭水化物
  • 腐った生ごみ
  • 塩分の強いもの
  • 柑橘類(酸性が強いもの)

前述のとおり、空気を含ませながら発酵させる好気性発酵は比較的臭いが少ないことが特徴です。しかし、どれだけ良い好気性発酵を進めても、完全に臭いがなくなるわけではありません。気になる方は、ベランダなどの屋外で作ると良いでしょう。しかし、雨風に晒され続けるとコンポスト内の温度を保つことが難しくなってしまいます。屋外で作る場合はベランダや軒下など、天候に左右されない場所に置くようにしましょう。

たい肥を作るときに気を付けたいのは、臭いと虫の問題です。
マンションにお住まいの方や、ベランダがご近所さんと近い場合は、臭いによるトラブルを避けるため、作る量を少なくすると臭いを防ぐ対策になります。また、生ごみの中でも、生肉や生魚は特に虫が発生しやすいので、気になる方は投入しないことをお勧めします。

コンポストを自作して、エコ生活の一歩を踏み出そう!

コンポストを自作して、エコ生活の一歩を踏み出そう!

今回はおうちで簡単に作れる、自作コンポストのアイディアを2つ紹介しました。コンポストを自分で作る、と聞くと大掛かりな印象があるかもしれませんが、意外とスペースも取らず簡単に始められます。材料も特別なものは必要ないので、おうちにあるものやホームセンターで揃えることが可能です。
家庭菜園や観葉植物を育てている人にとっては一石二鳥のコンポスト作り。
ぜひ、チャレンジしてみてくださいね。

新居購入のタイミングでガーデニングや家庭菜園など始めてみたい!とお考えの方は下記の記事もぜひ参考にしてください。
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公開日:2022年11月25日

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さん

長井 紗莉菜

1993年生まれ。群馬県出身のフリーライター。人事、ライター・編集、久米島町地域おこし協力隊を経て、現在にいたる。久米島在住時代にはSNSを利用して特産品販売を行うなど、SNS運用アドバイザーとしても活躍。講演会等も実施し、地域×食×暮らしの分野で支援を行っている。

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