糖尿病でも団信に入れる?持病があっても住宅ローンを組む方法を解説

糖尿病でも団信に入れる?持病があっても住宅ローンを組む方法を解説

いもとちひろ

住宅ローンを組む際にはほとんどの金融機関で「団体信用生命保険(通称:団信)」への加入が求められます。
しかし、糖尿病などの持病がある方は、加入できない場合が多いのが現状です。
この記事では、糖尿病と診断を受けた方が団信の審査に申し込む際に知っておきたいことや、万が一審査に通らない場合の対処法などを解説します。

糖尿病でも住宅ローンの団信に加入できる?

糖尿病が持病の方が住宅ローンを組むときに一番気になるのが「団信に加入できるのか」という点ではないでしょうか。ファイナンシャル・プランナー(FP)としての経験から結論を言うと、糖尿病に罹患中の方は一般団信の審査に通らない可能性が高いです。

なぜ、糖尿病に罹患中だと審査に通ることが難しいのでしょうか。
ここでは糖尿病と団信の関係性について説明していきます。

住宅ローンを組むためには団信の加入が必要

金融機関で住宅ローンを組む際は、一般的に「団体信用生命保険(団信)」への加入が求められます。
団信は、住宅ローンの返済中、住宅ローン契約者に万が一のことがあった際に保険会社が住宅ローン残高を保障してくれる制度です。

住宅ローンの契約者となるのは、ほとんどの場合が家計を支えている世帯主。けれど、そんな世帯主に万が一のことが起こったとき、住宅ローンの支払い義務が続くと遺された家族の生活は厳しくなってしまいます。団信は、そのようなリスクから家族を守るための制度です。

また、融資を行う金融機関の立場から考えても、住宅ローンの返済が滞ったり債券を回収できなくなったりするリスクは避けたいもの。そのような理由から、団信は住宅ローン契約者と金融機関の双方にとって、なくてはならない制度なのです。

糖尿病に罹患中だと一般団信の審査に通らない可能性が高い

団信の審査は一般の生命保険と同じで、引受保険会社が告知書で申込者の健康状態を確認して、保険契約の引き受け可否を判断しています。

糖尿病は一度発症すると完治しない病気であり、合併症や他の疾患へとつながるリスクもあります。そのため持病で糖尿病を抱えている場合は、一般団信の審査に通らない可能性が高くなってしまうのです。

しかし、状況によっては一般団信へ加入できる可能性があり、一般団信に加入できない場合でも住宅ローンを組む方法はあります。

糖尿病の方の場合

糖尿病の方が団信の申し込み時に知っておきたいこと

糖尿病を患っている方が団信の申し込みを行うときには、いくつか理解しておきたいことがあります。それが以下の3つです。

糖尿病の方が団信の申し込み時に知っておきたいこと

それぞれ詳しく説明していきましょう。

糖尿病であることを告知書に記入する

団信の申し込みを行う際には、申し込み時点での病気の有無や過去の病歴、健康診断の結果、障害の有無などの健康状態を告知書に記入しなければなりません。

【団体信用生命保険 告知書 記入例】

告知にあたっての注意事項記入例_申込書兼告知書兼同意書

※告知書を記入する前に、必ず契約概要や注意喚起情報が書かれたしおりを読んでおき、団信の内容を理解しておきましょう。
※下記はカーディフ生命保険株式会社の特約付団体信用生命保険の告知書の記入例です。告知書は引受保険会社や特約の有無などにより異なりますので一例としてご覧ください。
出典:「告知にあたっての注意事項記入例_申込書兼告知書兼同意書」(カーディフ生命保険株式会社)を加工して作成

告知内容は保険会社によって多少異なりますが、以下のような質問をされることが多いです。

【一般的な団信告知書の質問内容例】

  • 告知日より3ヵ月以内の治療や投薬歴
  • 告知日より3年以内の手術や治療歴
    (※高血圧症や糖尿病など、保険会社が指定する病気に限る)
  • 現在の身体障害状態
    (※手・足・指の欠損や言語・そしゃく機能の障害など)

※上記はあくまで一例です。

上記にあるように、糖尿病は保険会社が告知対象と指定する病気に含まれていることがほとんどなので、3年以内に治療や投薬を行った場合には告知をしなければなりません。

ただし、以下の状態であれば告知は不要です。

告知不要な方
  • 直近3年間は治療のために病院に行っていない
  • 糖尿病予備軍だと診断されたが、明確に糖尿病だと診断されたわけではない

告知書には、必ず告知日時点での状態を記入しましょう。

告知書の記入方法については以下の記事に詳しくまとめていますのでこちらを参考にしてみてください。

団信の告知や審査で気をつけるポイントは?告知書の記入方法も解説!

糖尿病以外の病気も告知が必要

前項では、糖尿病は合併症や他の疾患も発症しやすいことを説明しました。他の疾患を発症している場合や他にも持病がある場合、それらの病気が保険会社が告知対象として指定している病気であれば告知が必要です。

「リスクが高い糖尿病だけ記入したからいいかな」と思うかもしれませんが、告知書で申告する必要がある病気には、がんや脳卒中、高血圧などの生活習慣病も含まれます。
該当する病気がある場合には必ず告知書に記載しましょう。

団信への加入が難しい病気については、以下の記事に詳しくまとめています。こちらも参考にしてみてください。

団信に入れない病気がある?高血圧や精神的な病気は?具体例や対処法を解説

告知書に事実以外のことを記入すると告知義務違反になる

糖尿病だと団信の審査に通るのが難しいとお伝えしてきたので「それなら糖尿病だと書かなかったらいい」と思うかもしれませんが、告知書に事実以外のことを記入すると「告知義務違反」になります。

虚偽の告知をして団信に加入した場合、告知義務違反だと判明した時点で契約や特約が解除され、万が一のときにも保障を受けることはできません。

審査時に糖尿病だと申告しなかった場合

団信の保障が受けられないと、遺された家族はローンの返済に追われ、最悪の場合家を手放すことになる可能性もあります。そのような事態を防ぐためにも、必ず告知書には事実を記入しましょう。

糖尿病でも一般団信に加入できる可能性がある

ここまでは、糖尿病を罹患している方は団信の審査に通りにくいとお伝えしてきましたが、「糖尿病に罹患中でも一般団信に加入する方法はないのか」と考える方も多いでしょう。

糖尿病を患っている方が一般団信に必ず加入できるという裏技はありませんが、加入できる可能性はあります。なぜなら、告知事項に該当する病気があるかどうかで審査の結果が決まるわけではないからです。しかし、実際に加入できるかどうかは個人個人の告知内容によって異なります。
糖尿病を抱えていても加入できる可能性がある場合は以下のとおりです。

審査に通る可能性を上げるコツ

それぞれ説明していきましょう。

治療を行って数値が改善した場合

糖尿病の適切な治療を行って数値が改善した場合、団信に加入できる可能性があります。

糖尿病は一度発症すると完治はしない病気ですが、薬や食事療法、運動療法を続けていれば、症状の改善は期待できます。

告知書には「HbA1c・空腹時血糖の数値」を記入する欄があるので、数値が安定していることが保険会社に伝われば一般団信に加入できる可能性もあるでしょう。

症状の改善・今後の改善見込みが記載された医師の診断書がある場合

糖尿病の治療を行い数値が安定した際は、告知書に医師の診断書も添えて提出しましょう。

診断書の提出は任意ですが、数値や治療状態が良好である場合には診断書を添えることで症状が安定していることをアピールできます。今後の見込みや症状の改善状況などが診断書に記載されていれば、保険会社も内容を考慮しながら審査をしてくれるでしょう。
反対に、診断書がなければ、せっかく症状が安定していたとしてもその情報が保険会社に伝わらないため、保険会社は告知書に記入された数値のみで引受可否を判断することになります。

糖尿病に限ったことではなく、持病や障害がある場合には医師の診断書を添えることで審査に通りやすくなる可能性があります。ただし、この方法をお勧めできるのは、症状が改善している場合のみです

診断書の提出は症状が良好であることが前提なので、まずは数値や症状を安定させることに努めましょう。

一般団信の審査に通らないときの対処法

一般団信の審査に落ちてしまっても、住宅購入を諦める必要はありません。ここでは一般団信の審査に通らないときの対処法を4つ紹介していきます。

一般団信の審査に通らないときの対処法

ワイド団信を利用する

一般団信の審査に通らないときには、ワイド団信の利用を検討しましょう。
ワイド団信とは、一般団信よりも引受基準が緩和されている団信です。健康上の理由で一般団信の審査に通らない方でも、ワイド団信であれば加入できる可能性があります。

引受基準が緩和されているからといって加入が確約されるわけではありませんが、ワイド団信は糖尿病のような持病がある方や健康状態に不安がある方などの加入実績も豊富です。

保障内容は一般団信と同じなので、契約者に万が一のことがあったときにもローン残高の保障を受けることができます。

ただし、ワイド団信に加入すると住宅ローンの金利が上乗せされるのが一般的です。金利の上乗せが家計の負担にならないよう注意し、金利が割安なローン商品と組み合わせるなどの工夫をしましょう。

メリット
  • 引受基準が緩和されているため一般団信よりも審査に通りやすい
  • 糖尿病のような持病がある方の加入実績も豊富
デメリット
  • 一般的に住宅ローンの金利が上乗せされる

フラット35を利用する

先述したように、一般的に金融機関が提供している住宅ローンは団信へ加入することが求められます。しかし、35年間固定金利のフラット35は団信への加入が任意なので、糖尿病に罹患中の方でも団信に入ることなく住宅ローンを組めます。

またフラット35の金利には団信の保険料が含まれているため、団信に加入しない場合には通常の金利から0.2%が差し引かれます(※1)。

ただし、団信に加入せずにローンを組むということは、万が一の事態が起こった際にも住宅ローン残高は一切保障されないということです。団信なしで住宅ローンを組む場合には、遺族が返済に困らないように、一般の生命保険に加入するなど他の方法で万が一に備える必要があります。

メリット
  • 団信への加入が任意なので団信加入なしで住宅ローンを組める
  • 団信に加入しない場合は通常金利から0.2%が差し引かれる
デメリット
  • 万が一の時にローン残高が保障されないので、一般の保険に加入するなど他の方法で備える必要がある

※1 「【フラット35】の団体信用生命保険」(長期固定金利住宅ローン 【フラット35】)

引受保険会社が異なる団信を取り扱う金融機関に申し込む

団信の審査を行っているのは、金融機関ではなく保険会社です。そのため引受保険会社が異なる団信を取り扱う金融機関に申し込めば、審査結果が変わる可能性があります。

ただし、加入条件や審査基準は非公開のため、審査の可否は申し込むまで誰にもわかりませんが、審査基準の原理原則に大きな差異はないので、一社で審査に通らなかった場合は別の保険会社でも通らない可能性が高いという点には注意が必要です。

メリット
  • 保険会社が変われば審査に通る可能性もある
デメリット
  • 審査基準の原理原則に大きな差異はないので、保険会社を変えても結果は変わらない可能性は高い

配偶者を主たる債務者にする

自分自身で住宅ローンの契約ができない場合、配偶者を債務者にするのも一つの方法です。
配偶者の収入面と健康状態の双方に問題がないのなら、債務者を配偶者にすることで団信の審査に通過できる可能性は高くなるでしょう。

ただし、家計を支えているのが自分である場合、自分に何か起こったとしても保障を受けることはできず、生活に困窮してしまうリスクがあります。

配偶者を債務者にする場合には、夫婦間でしっかりと話し合い、一般の生命保険や就業不能保険などに加入してリスクに備えましょう。

メリット
  • 配偶者の収入面と健康状態に問題がなければ団信の審査に通過する可能性が高い
デメリット
  • 自分に万が一のことがあってもローン残高は保障されないため一般の保険で備える必要がある

糖尿病でも住宅ローンを組める!

糖尿病が持病の方は一般団信の審査に通らない可能性が高いです。しかし、審査に通らないからといって、団信に加入できない・住宅ローンを組めないというわけではありません。

症状や数値を安定させ、告知書に医師の診断書を添えれば審査に通過する可能性があります。
これらの方法を試しても加入が難しい場合には、以下の対処法ならば住宅ローンを組むことができるでしょう。

まとめ

住宅ローンは大きな金額を長期にわたって借り入れる制度です。自分に万が一のことがあったときのことを考え、家族としっかりと話し合ったうえで保障も含め住宅ローンを検討しましょう。

公開日:2022年7月20日

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さん

いもとちひろ

大学で得た経験とFP資格の知識を活かし、家づくりや住宅資金、火災保険、相続など、住宅とお金に関する記事を中心に活動中。子育て中の母でもあり、主婦目線での貯蓄、資産運用にも関心あり。

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