転職したら、住宅ローンって借りにくくなる?

新屋 真摘

人生において、「転職」も「住宅購入」も大事な転機です。なかには転職と住宅購入を考える時期が重なる人もいるかと思います。そんなとき、「新しい仕事がどうなるか分からないから、住宅の購入は転職して落ち着いたら考えよう」という人が多いかもしれません。しかし実際には、転職後しばらくは住宅ローンの審査が通りにくいというケースをよく目にします。今回は、住宅ローンを借りるとき、どんなところを見られているのかについて解説します。

“きちんと返せるかどうか”をチェックするのが、住宅ローンの審査。

住宅ローンを組むというのは、金融機関からお金を借りる行為です。貸し手の金融機関にとっては、ローン契約者が今後滞りなく返済を続けてくれる人物でなければ、お金を貸すことはできません。それを判断するために行うのが住宅ローンの審査です。

審査の主なポイントは、ローン申込者の信用力、返済能力以上に借りすぎていないか、物件の価値など。具体的には、「借り手の年齢」「現在の住まいが賃貸なのか持ち家なのか」「賃貸の中でも社宅かどうかといった状況」「勤務先」「役職」「正社員かどうか」「年収」「預貯金などの資産状況」「クレジットカードの延滞はないか」「頭金の割合」「担保となる物件の価値」「住宅ローン以外の借り入れの状況」など、あなたの資産や状況についてのさまざまな項目が審査されます。

転職に関係があるものとしては、「勤続年数」です。同じ勤務先から長期に渡って安定して収入がある人は、それだけ今後の返済についても信頼できると判断されやすいので、転職後、少なくとも2、3年経たないと、借入金額によっては、審査が通りにくいのが現状です。

ちなみに、審査は住宅ローンを借りるときに行われるものなので、住宅ローンを借りた後に転職したからといって何か問題が起こるわけではありません。逆に言うと、転職前であれば、そのときの勤務先の情報でローンを借りることができます。

転職しても借りられる場合もある。

審査の基準は公には明らかにされていませんが、審査項目は金融機関ごとに独自の判断基準があります。転職に関しても、金融機関ごとに判断が分かれることもあるので、複数の金融機関をあたれば、A銀行ではだめでも、B銀行なら借りられる場合があるかもしれません。
厚生労働省の平成29年雇用動向調査によると、平成29年度の転職入職者数は505万人(前年478万人)と、そもそも、転職することが慣例化している現在では、勤務年数が短いからという理由だけでローン審査を落としてしまうのは少し今の時代に合っていない気がします。こうした流れを汲んで、前職に比べて年収が上がっているなど、ステップアップのための転職だと認められる場合は、転職後間もない人でも影響なくローンが申し込める金融機関もあるようです。
また、一部のローンの中には、ローン申込者の状況よりも、物件の状態や返済比率(年収に対する返済額の比率)重視で判断する住宅ローンもあります。こうしたローンなら、転職後間もない場合でも借りやすいといえるでしょう。

こうして考えると、「転職」「住宅購入」という人生の節目を迎えることは、改めて将来をじっくり考えるよい機会かもしれません。
特に住宅購入と転職時期が近い場合には、資金計画を慎重に考える必要性が高いですので、住宅関連業者の方に相談したり、金融機関で行っている住宅ローン相談会に参加するなど、さまざまな情報を集めてみることをおすすめします。

まとめ

転職後しばらくは、住宅ローンの審査が通りにくくなる可能性があります。できるだけ転職する前に専門家などに相談して、転職も住宅購入も納得のいく選択ができるようにしましょう。

公開日:2019年02月22日

新屋 真摘

新屋 真摘

ファイナンシャルプランナー(CFP 認定者)、ガイア株式会社所属。http://www.gaiainc.jp/ 大手生命保険会社を経て「正しいマネーセンスを身につけてお金に振り回されない人生を送ってもらうためのお手伝いがしたい」という想いからファイナンシャルプランナーを目指す。2005 年に独立系FP オフィスを設立。 2014 年にガイア株式会社へ。 『一番トクする 住宅ローンがわかる本』(成美堂出版)、『やさしい保険の本』(オレンジページ)、『ママと子どものお金の話』(サンクチュアリ出版)、『シンプルにお金を貯める・増やす・使う。』(クロスメディア・パブリッシング)など著書・監修多数。

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