
おうちを買う前に知っておきたい!「住宅購入や住居に関する税制・法律・手続き」第6回
日々の生活で大切な三大要素の衣食住。リモートワークの普及などで在宅時間が増えている現在、よりよい「住」環境を求めて住宅の購入を検討している人もいるでしょう。
住宅購入は人生の中でも指折りの大きな買い物です。そのため費用を少しでも抑えたいと考えるのは当然のことでしょう。
国は、良質な住宅取得を促進することで景気回復を図るとともに、環境性能等のすぐれた住宅の普及拡大を推進しようと、様々な制度で住宅購入を後押ししています。ですから、どんな制度があるかを知り、自分の場合は何が使えるか、どのような手続きをしていけばよいかをこのシリーズで押さえていきましょう。
国の補助金、給付金、支援制度 VOL.1
第6回は、国の補助金、給付金、支援制度の中からすまい給付金の入居期限延長と、こどもみらい住宅支援事業の新設についてご案内します。
住宅取得を支援する制度は、住宅購入者の暮らしを支えるだけでなく景気を支える役目も果たしています。住宅建設は資材、工事、不動産取引等たくさんの業界に波及する産業であると同時に、家具や家電をはじめとした新しい住まいに伴う消費を喚起することにも繋がっています。
2022年度も、新型コロナウイルス感染症で落ち込んだ景気を下支えすべく、制度期限延長や、新設された制度が発表されています。
目次
制度終了でも申請期限は延長している すまい給付金
すまい給付金は、消費税率8%へ、またその後10%への引上げに伴い住宅取得の金額的負担を緩和するために始まった制度です。そのためこの制度は増税の影響が残る間の措置で、定められた期間内に契約や引渡しをするという期限の要件が定められていました。
ところが、新型コロナウイルス感染症の影響による資材調達の遅れや現場作業員不足等が原因で、工事が予定通りに進まず、制度利用要件で定められた引渡し期限に間に合わないという問題が起きてしまいました。このような事情を考慮して、給付金の対象となる引渡し期限が2022年12月末までに1年延長されました。
ただ、すでに契約期間の適用要件は過ぎていますので、今後住宅を購入したり建築請負契約をしたりしてもすまい給付金の対象にはならない点にご注意ください。
給付金の申請は引渡しを受けてから行う手順になっています。後述の『適用期間』に該当する期間内に契約した場合は2022年12月末までに引渡しを受け、引渡し日から1年3か月以内に申請するようにしてください。(2022年4月時点)
コロナ後の社会へ経済対策 引渡し期限は延長!
制度名:すまい給付金 |
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【概要】
上記契約期間要件を満たしたうえで 【制度利用の主な要件】
他、要件の詳細については参考リンクをご覧ください。 【手続き】 【参考リンク】 すまい給付金事務局サイト ■東日本大震災による被災者の方が住宅を再取得する場合には、復興庁の「住まいの復興給付金」制度があり、すまい給付金と同様に引渡し期限が延長になっています。 |
2022年度 新しく創設された補助金!こどもみらい住宅支援事業
こどもみらい住宅支援事業は子育て世帯や若者夫婦世帯の住宅取得支援、および環境に配慮した省エネ住宅の取得や改修の普及を目的として支給される補助金事業です。「こども」と付く制度名ですが、リフォームに適用するときは子育て世帯に限らず幅広い年齢や工事が対象となります。
この事業は2022年度新設であることも起因してか、適用要件の変更や修正が多く行われています。2022年4月27日には、原油高・物価高騰による住宅価格上昇への対策として継続的に支援を実施するため、事業創設当初に発表された各期限が延長されました。国土交通省やこどもみらい住宅支援事業事務局公式ページなどで、最新の情報を得るようにしてください。(2022年4月時点)
子育て支援とカーボンニュートラル実現を目指す補助金
制度名:こどもみらい住宅支援事業 |
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【概要】
他、要件の詳細については参考リンクをご覧ください。 【参考リンク】 国土交通省 こどもみらい住宅支援事業について |
公開日:2022年08月26日
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小峯洋子(こみねようこ)
(株)イー・カンパニー提携ファイナンシャルプランナー
AFP®、2級ファイナンシャル・プランニング技能士、2級DCプランナー、2級建築士
不動産会社、住宅メーカーで設計部勤務を経て、夫の転勤により一旦退職。
第2子の乳児期にファイナンシャルプランナー資格を取得し、設計事務所勤務をしながら2014年にFP事務所を立ち上げた。自らの子育てを通じて、子どもの頃からお金と上手に付き合うトレーニングが必要だと感じ、楽しみながらお金に関して学べる親子向けの講座を開催している。教育費や住まいに関わるお金の相談や記事執筆も行っている。共著に「ゼッタイ後悔しない!家の購入技200」(スタンダーズ株式会社発行)など。