銀行員が徹底解説!住宅ローンの保証料とは?

加藤隆二

「保証料ってなに?」と疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
住宅ローンの保証料については、銀行員の私も説明するのに苦労する部分です。

そこで当記事では、保証料とは何か、そして金利との関係などを銀行員目線で説明しますので、ぜひ参考にしてください。

住宅ローンの保証料とは?金利との関係は?

保証会社の保証なしでは住宅ローンは利用できない?
― 住宅ローンは保証会社の保証付きが基本
(ネット銀行などの一部金融機関を除く)

タダでは保証人になってくれない
― 保証会社に保証料を払う必要がある

一括払いと分割払い、どちらがお得?
― 保証料は一括前払いする以外に、毎月金利に上乗せして払うこともできる

「住宅ローン」「保証料」「金利」この3つの関係を簡単にまとめるとこのようになります。
銀行の住宅ローンは保証会社の保証付きが基本です。
なお、ネット銀行などでは保証料が無料となる例もありますので、こちらも含めて本文下部でご説明します。

住宅ローンは大きく「保証会社保証付」と「保証人扱い」の2つに分類されますが、あくまで「保証会社保証付」がメインで、「保証人扱い」は補完的な位置づけとなっています。たとえば、メガバンクや地方銀行、信金などのホームページで住宅ローンの説明を開けば、ほとんどすべてが「保証会社保証付」です。
※一部例外があります。

銀行員である私は、窓口でお客様から「保証会社ってなんですか?」と質問された場合、このように表現しています。

「保証会社は、住宅ローンの保証人になってくれる会社で、銀行の信頼は絶大」
「銀行が保証会社を信頼するのは、債務者が住宅ローンを返すことができなくなった際に力を発揮してくれるから」

では詳しくご説明します。

保証会社の保証なしでは、住宅ローンは利用できない?

繰り返しになりますが、住宅ローンは保証会社の保証付きが基本です。
というより「保証会社が保証してくれないと、住宅ローンを借りることができない」
と表現したほうがわかりやすいです。

ただし、ネット銀行などでは保証会社を利用せず、保証料が不要というローンを取り扱っている銀行もあります。
その場合は、
「銀行が直接住宅に担保を設定する」
「保証人が必要になる場合もある」
「事務手数料として融資額の2.2%(消費税込み)を一括で前払いする形式が多い」
といった特徴があります。

事務手数料を一括で前払いする場合の金額を保証料と比較すると、ネット銀行とその他金融機関の優劣を論じることになります。
本題からは逸れてしまうので割愛しますが、同じくらいの負担感になる場合もあり、一概にどちらがお得ということは言えません。

保証会社が保証するというのは、言い換えると「保証会社が保証人になる」ことです。保証会社自身が債務者の保証人になるので、その人が保証するに相応しいか?を保証会社が審査します。
つまり住宅ローンの審査は、実際には保証会社の審査(実務では保証会社の基準に沿って、銀行と保証会社が同時に審査する)なのです。

債務者が住宅ローンを返すことができなくなったときは? ― 代位弁済

金融機関・保証会社との関係図

金融機関・保証会社との関係図(返済不能となった場合)

保証会社の保証付き住宅ローンでは、債務者が万一住宅ローンを返すことができなくなった場合、保証会社が力を発揮します。
具体的には毎月返済が延滞して数ヵ月経ち、督促してもなお払うことができない場合には、銀行が保証会社に対し住宅ローン残額を一括で返済するよう請求します。これが「代位弁済」です。債務者の代わりに(これを「代位」といいます)返す(こちらは「弁済」。意味は返済と同じです)という意味になります。

銀行から見れば「耳をそろえて住宅ローンを立替えてくれる善良かつ信用絶大な保証人」が保証会社です。
借りる人の立場でも、保証会社が保証してくれるから銀行で住宅ローンが借入できるのです。
このように、住宅ローンでは有益な保証会社ですが、会社と言うくらいですから慈善事業ではなく、タダでは保証人になってくれないのです。

タダでは保証人になってくれない

ここまで保証会社のお話をしてきましたが、タダでは住宅ローンの保証人になってもらえません。
保証会社は住宅ローンの保証人になる、つまり「債務の保証をする」対価としてお金をもらいます。これが住宅ローンの保証料です。
ちなみに保証料は代位弁済するお金のもとにもなっていて、住宅ローンを借りるとき「全額を一括前払いする」ことになっています。

なお、保証料は他の支払い方法もありますが、こちらは次の段落でご説明します。

保証料はいくらになる?(一括前払いの場合)

保証料は住宅ローンの返済年数により金額が変わります。基本的に年数が長いほど長く保証することになるため保証料もより多く必要になります。
ではここで、例を挙げて保証料を計算してみましょう。

【例】

住宅ローン借入額3,000万円 返済年数は35年
「返済年数35年・100万円あたりの保証料は20,614円(※1)」と仮定すると
保証料は20,614円×30=618,420円(3,000万円は100万円の30倍)

3,000万円、35年返済の住宅ローンを借りるときに、60万円以上の保証料が一度に必要となるのです。
このように、保証料の負担は小さくないので、保証料も含めて住宅ローンを借りることも可能です。

なお、保証料は銀行ホームページなどで明記されている場合もありますが、「詳しくは窓口で」などと詳細が表示されていない場合もあります。
また保証料には消費税もプラスされ、他にも手数料が必要になる場合もありますので、実際の金額は必ずご自身で確認してください。

一括払いと分割払い、どちらがお得?

先ほどお話ししたとおり、保証料は一括前払いが基本です。
しかし一度に払う金額としては負担が大きいのと、仮に保証料を含めて住宅ローンを借りることができたとしても、
「手数料まで借金させられた」
「手数料にも住宅ローン金利を払わされる」
こう感じる方もいるかもしれません。

こうした負担感から、保証料を分割払いにする形式も設けられています。具体的には、金利に上乗せして毎月保証料を支払っていく、というものです。
金利上乗せ方式などと呼ばれる方法で、一括前払いに比べると住宅ローンを借りるときの出費が少なくて済みます。
それ以外にも、繰上返済などで早く返し終えようとする人にとっては、毎月分割して保証料を払う=早いうちに完済してしまうなら、余分に保証料を前払いしなくて済む、というメリットもあります。
※一括前払いの形式でも、住宅ローンを完済すれば保証料は戻って来ます。

一時的な出費を抑えられる、早く返そうという人には無駄な出費を避けることのできるので、お得とも言えます。

一括前払いと分割払い(金利上乗せ方式)について

いっぽうで、一括払いと分割払いを比較した場合では、どちらがお得なのでしょうか?
こちらも計算で比較してみましょう。
※今回はExcelの計算ソフトで算出しましたが、銀行ホームページの「住宅ローン返済額シミュレーション」といったメニューでも計算ができます。

【前提条件】

住宅ローン借入額5,000万円・30年返済
住宅ローン金利は2%、保証料を分割払いする場合は金利プラス0.2%
最終回まで借りた場合の利息総額を比較

一括払いと分割払いを計算で比較

これはシンプルな比較計算なので、実際このような差になるとは限りません。あくまでイメージとして捉えてください。
ただし一括前払いのほうが保証料支払総額では安上がりになるのは事実です。

「住宅ローン」「保証料」「金利」は密接につながっている

では最後にまとめとしてこれまで説明してきたことを振り返ります。

住宅ローンは保証会社の保証付きが基本(ネット銀行などの一部金融機関を除く)
タダでは保証人になってくれない
保証料は一括前払いする以外に、毎月金利に上乗せして払うこともできる

今回お伝えしたかったのはこの3つでした。
住宅ローンと保証料、そして金利の3者が密接につながっていることがわかって頂けたと思います。

保証料は「一括払い」と「分割払い」どちらが良いのか、という疑問については正解がありません。
必要経費を重視するなら一括前払い、住宅ローン借入時の負担を少しでも抑えたいなら金利上乗せ方式を選ぶのもひとつの考えです。
ただし、収入や勤続年数などで銀行の審査が厳しいケースでは、金利上乗せ方式しか選べない場合もあります。分割払いのほうが保証料を多くもらえるため、銀行と保証会社は住宅ローンが回収できない場合のリスクに備えて保証料を多くもらえるようにしたいのです。この点は是非覚えておいてください。

「なぜ住宅ローンには保証料が必要なのか?」という疑問は初めての人なら必ず抱くはずのもので、この記事がその応えになってくれたら幸いです。

参考文献
※1 保証料(一括前払い)の一覧表(りそな銀行)

公開日:2020年08月21日

加藤隆二

勤続30年、いまだに現役銀行員の金融ライター。FP2級個人資産相談業務資格と銀行業務検定資格を複数保有。多くのお客様からの相談に、真摯に向き合いともに悩んだ経験では誰にも負けない自信があります!

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